御正忌報恩講案内
恩に報ゆる生活
私共人間は、恩波の上に漂っている小舟のようなものである。前も恩、後ろも恩、右も恩、左も恩、過去も恩、未来も恩、私がこの世に居るということの一切が 御恩である。この御恩は返しても返しても加わって来る。私共の生活は恩をうくる生活であると同時に恩に報ゆる生活である。この事を教えて下さったのが親鸞 聖人である。聖人の教えが無かったら私は恩の中に居ながら恩を知らないでいたことである。これによって思うに聖人が私のうけている御恩の根本である。
一年三百六十五日、一日として報恩の日で無いのはない。毎日が報恩講である。その報恩講の最も根本的なるものが親鸞聖人の御恩に対する報恩講である。聖人 の報恩講を営むことによって報恩の生活が明らかになるのである。毎年十一月、聖人の報恩講に逢うごとに報恩の中に育って居る自分を明らかにして頂くのであ る。故に私は毎年の報恩講が生活刷新の根元であると信じて居る。毎年報恩講を営むことによって生活のよろこびと力とを鼓舞せられることである。
(暁烏 敏 『報恩講の案内状に添ふる言葉』から)
聖人の御恩徳を憶い、今年の御正忌報恩講を厳修させて頂きます。真宗門徒、又福浄寺にとりましても最も大切な法要でありますと共に、そのお荘厳にも多数の御門徒のご苦労と日にちがかけられた、寺門あげての仏縁です。
どうぞ真宗門徒の証を立てるべくお繰り合わせ御参詣聞法下さり、またご一緒に勤行唱和をして下さいますようご案内申し上げます。
また、多くの方々の御縁をいただくことを願い、且つ、昔日の報恩講を偲びたく、粗餐でございますが、お昼のお齋(とき)を用意いたします。ご参詣の皆様、毎日お席について下さいますようお願い申し上げます。
合掌
記
一、日時 一月二十二日より二十八日まで
日中 午前九時半 逮夜 午後七時半
一、法話
北九州・徳蓮寺 伊藤 元師(二十三日日中~二十六日日中まで)
大瀬戸・光明寺 武宮 學師(二十六日逮夜~二十八日まで)
一、勤行 正信偈 真四句目下(大谷声明集 四五頁から五九頁)
念仏、和讃 五ッ淘、五遍反し
回向 願以此功徳